
GT清掃を効率的に、かつ環境にやさしく、使用した廃油を安全に自然に循環
SDGsに求められる合理的なプロセス
清掃のプロセスの概要
Process Overview
清掃作業ステップフロー
Before
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作業前確認・セッティング
清掃作業をスタートさせる前に、周囲の安全確認、適宜養生、グリストラップに構造上の破損などダメージがないか、汚れ具合など確認し、問題があればお客様に報告します。
work
01
槽内の廃油を吸引
グリストラップ槽内に溜まった廃油を専用機器で吸引し、鹸化剤を加えて撹拌します。廃油は加水分解され、環境に優しい石鹸水が生成されます。
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02
吸引排出で循環
槽内の容量によって鹸化剤の添加量、循環時間は異なります。油分が多い場合は、添加剤の量も適宜調整して完全に鹸化されるまで「吸引→排出→吸引…」の循環を繰り返します。
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03
残渣・スラッジ等の収集
GT底部等に溜まったスラッジ、食物残渣等は、石鹸水で油分を落とし、適宜微細ネット等でろ過収集した後、事業系一般廃棄物として処理します。
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04
固着した油脂等の除去
生成される石鹸水で槽内の洗浄を行い、槽内の縁や壁面など固着した油脂を、ケレン棒などで隈なく除去します。除去した油分は、専用機器で鹸化し槽内の油脂を完全に石鹸水に変換します。
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05
槽内全体のブラッシング
石鹸化が確認出来たら、装置を停止し、石鹸水でグリストラップ槽内全体を徹底的にブラッシングし、汚れを落とします。これまでの工程を2~3回転実施し、完全に油分が無くなるまで行います。
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06
石鹸水の排水・ゴミ収集
槽内を洗浄し終えたら石鹸水を排水し、水道水で槽内外を洗浄し、再び装置を起動して残留水を循環させ、微細ネットでゴミをろ過し収集します。
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07
ゴミ処分・後片付け
最終的にろ過収集したごみは水切りを行い事業系一般廃棄物として処分し、取り外した隔壁やトラップ管などを元通りに設置します。問題がなければ、作業ヤードの後片付けを行い作業終了となります。
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08
施工完了報告
施工が完了したことをお客様に報告し、別途施工完了報告書をご提出いたします。

石鹸化工法の施工プロセスは、合理的で経済的、環境に優しいことが特徴です。
施工前のグリストラップは通常、油脂や食物残渣が溜まっており、そのほとんどがとてつもない悪臭を放つ状態にありますが、施工後は、これらの汚れが取り除かれ、クリーンで新鮮な状態にリセットされます。
実際の施工にあたっては、ご契約後初回作業前に、お客様と作業内容、工程、使用する設備、作業ヤード、作業時間など計画してから実施することとなります。
また、施工方法は、日々改良し、熟練スタッフがその場に応じたよりベターな手法を選択して行いますのでご安心ください。
施工にあたっての注意点
エコサポがグリストラップの清掃を行う前に、既に排水管の閉塞が進行している場合や、設置されているGTの構造上の問題・経年劣化等で危険な状態になっている場合があります。
石鹸化工法は、定期的なメンテナンスを行うことで、より効果を発揮できますが、施工前の排水管の頑固な油脂凝固や、物理的な破損等は解消できませんので、予めご留意ください。その際は、適切なアドバイスをさせていただきます。
また、臭気について、通常GTから放たれている嫌悪臭はほぼ解消されますが、清掃後の利用環境や排水管内部の臭気、その他の関連する設備からの臭気が原因で、嫌悪感がぬぐい切れないケースもあります。その際は、一緒に問題解決に取り組みますので、何でもご相談ください。
施工例 Working Before & After
焼肉セントラルキッチン GT 160㍑

〈Before〉
〈After〉
大学生寮施設 GT 200㍑

〈Before〉
〈After〉
学生会館 GT 140㍑

〈Before〉
〈After〉
保育園施設 GT 120㍑

〈Before〉
〈After〉
乳化と鹼化の違いについて
乳化と鹸化は、化学的なプロセスで異なる意味を持ちます。
一定以上の時間が経過すると、乳化状態が元に戻り水と油にふたたび分離していきます。
一定以上の時間が経過しても、一旦鹸化すると元の水と油に戻ることは有りません。
〈注意〉
廃油を乳化させた状態で排水管に流出させると、水と油が分離された状態で流していることを意味し、管路内にて凝固・付着するため閉塞問題は解消されません。そのため、行政の規定により、下水道への流出を乳化状態で排水することは禁止されています。
エコサポ石鹸化工法では、専用機器で鹸化を行うために必要な回転速度で石鹸水を生成するため、環境に優しい石鹸水を本下水へ流出させても全く問題ありません。
生分解度試験
生分解度試験とは、環境中における有機物の生分解性を評価するための試験です。微生物の働きにより有機物が一定の期間に分解される割合(%)を示し、環境中での分解されやすさを指標とします。この試験は、化学物質や化学工業製品の生分解性を評価するために行われます。
下記検査結果は、㈶日本食品分析センターにおいて、当工法により作られた石鹸水が、自然界においてどのような影響をおよぼすかを検査したものです。
生分解度測定結果 (単位:%)
検体 | 7日後 | 14日後 | 21日後 | 28日後 |
石鹸水 | >90 | >90 | >90 | >90 |
試験の結果、当工法により作られた石鹸水は、河川等自然界において、
7日後には90%以上(ほぼ100%)が生分解
されることが証明されました。
浄化槽のある施設においては、バクテリアの使用が見られますが、このバクテリアに対しても、基本的には悪影響を及ぼすことはなく、むしろバクテリアを活性化させる効果を持っています。
当工法による石鹸水は、ほとんど環境負荷を与えることなく、環境に優しい循環型の工法であることが言えます。
※生分解性とは、微生物の働きにより、分子レベルにまで分解し、最終的には二酸化炭素(CO₂)と水(H₂O)となって自然界へと循環していく性質をいいます。
水素イオン濃度(pH値)
生成された石鹸水は、概ねpH5~9を示しており、下水排除基準値をクリア。
専門の研究機関による施工後のグリストラップ内液の水質分析結果では、“濃度計量分析” および “細菌分析” ともに各数値に大幅な改善が表れており、石鹸化工法の有効性を確認できております。
合成洗剤と石鹸水の違いについて
合成洗剤(従来の洗浄剤)
エコサポ石鹸水
主成分
界面活性剤 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 等
脂肪酸ナトリウム
生分解性
石油に含まれるエチレンを500℃~700℃に熱して、50気圧をかけて作る(自然界には存在しないもの)。
化学合成によって作られた界面活性剤が含まれており、中には自然分解されにくい成分も含まれていることがあります。
生分解度試験からわかるように、生分解性が高い。
川に流れれば水中にあるカルシウム成分と結びついてカルシウム石鹸となり ミジンコや小魚の餌になる。
合成洗剤にはタンパク質と結合する成分が含まれているものもあり、食器をこれらの洗剤で洗うと、手にヌルヌルとした感触が残ることがあります。これはその界面活性作用が強力で、分解速度も遅いため、環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、エコサポの石鹸水は基本的な脂肪酸ナトリウムから作られた石鹸で、自然へ戻る力(生分解性)が高く、水中で完全に分解されるため、環境に与える影響は低いとされています。